第12章 贈りもの 『キミのとなりで ずっと』より
-Oside-
めちゃくちゃイイ笑顔でニノがにじり寄ってくる。
あー、失敗した…
つい口が滑っちゃったよ…
ニノには俺たちも同棲の約束したことは伝えてなかったんだ。
だって恥ずかしいじゃん。
こんな状況になるのが目に見えてたし。
「いつどこでそんな約束したの?あの時ってことは沖縄だよね?もしかして俺たちがスノードーム選んでる時に?」
「もう…俺たちのことなんていいじゃん…」
「よくないよ!なんで?なんで教えてくれないの?俺たち親友じゃないの?」
なんとか逃げようとするけど、ニノは目を潤ませて迫ってくる。
絶対嘘泣きだと思うけど、こうなっちゃったらもう逃げられない。
結局根掘り葉掘り聞かれるままに答えて、潤に絵を描いてることまで全部知られてしまった。
「はぁ…」
「んふふ♡」
俺はため息が止まらないけど、ニノはご満悦だ。
「潤くんのおかげで俺までこんな可愛いのもらえたんだね♡潤くんにもお礼言わなきゃ♡」
あー…潤に話したことバレたら怒られるかな…
これくらいじゃ怒らないかな…
怒らないといいな…
「はぁぁ…」
またため息がこぼれるけど、ニノは気にしない。
「完成したら俺にもその絵見せてね♡」
「はいはい」
「同棲する時は近くに住もうね♡」
「はいはい」
「やったぁ♡楽しみが増えたー♡」
まぁ、こんな楽しそうな顔が見れるなら、恥ずかしい思いをした甲斐もあるか。
「ふふっ」
ニノにつられるみたいに、俺も笑ってしまう。
結局ニノには敵わないんだよ。
だってこの先もずっと近くにいることをニノが望んでくれてる。
それがびっくりするくらい幸せで嬉しいんだから。
うん、ずっとご近所さんでいてさ。
これからもずっと、こうやって一緒に笑い合っていようね。
end