第11章 キミ色フォルダ Root Green
俺の腕の中で幸せそうに微笑むニノが本当に可愛くて。
ほぼ無意識に顔を近付けて、気付いたらキスしてた。
あ!またやっちゃった!
「ごめん!」
慌てて謝った俺にニノはキョトンとした。
「なんで謝るの?」
「いきなりキスしちゃったから…」
俺は真剣に反省してるんだけど、ニノは赤くなって俯いちゃって。
「なんで今さら…今までだって勝手にしてたじゃん…」
ちっちゃな声で恥ずかしそうに呟く。
「う…ごめんなさい…」
その通り過ぎて返す言葉もない。
でもさ、俺なりに自分勝手な行動だって反省してる訳で。
「これからはする前にちゃんと聞こうと思ってたんだよ」
「ばか!そんなの聞かないで///」
ニノは恥ずかしさからか真っ赤になって大きな声を出したけど。
俺はニノが嫌がることはしたくないんだ。
いや、たった今勝手にキスしちゃったばっかだし説得力ないけど。
俺は本気でニノのことを大切にしたいと思ってるから。
「嫌なら嫌って言ってほし…」
「だからっ…いやじゃないから…」
でもニノは首まで真っ赤になりながら、俺の言葉を遮った。
「最初に言ったじゃん…嬉しいって…」
その言葉に初めてニノにキスしちゃった時のことを思い出す。
確かにあの時、ニノは嬉しいって泣いて。
でも付き合うなんて考えなくていいよって言ったんだ。
ニノも思い出したのかな。
「まさか雅紀の恋人になれる日がくるなんて想像もしてなかったな…」
ポツリと呟いた声はちょっと泣きそうに聞こえた。
きっとさ、本当はニノが告白してくれた日に、俺もニノのこと好きになってたんだよ。
なのにごちゃごちゃ理由をつけて、自分の気持ちに気づかないフリをして。
伝えるのが遅くなってごめんね。
馬鹿な俺を見捨てず、一途に想い続けてくれてありがとう。
これからは今までの分も大切に大切にするから。
ずっと一緒にいようね。
ずっと一緒に笑っていようね。
大好きだよ、ニノ!
end