第6章 ミネラルウォーターとFBIの女
降谷Side
ひとしきりFBIの女を抱いたあと、彼女のスマホを見ると赤井からの不在着信はたった2件だった。日本にいるFBI捜査官について調べて彼女にたどり着いた時は赤井の弱点のような気がしたんだが、読みが外れたか。まぁいい、彼女には色々と楽しませて貰ったから。そんなとこを思っていると手元のスマホが震え始めた。赤井だ
「はい」
『あぁ、凛子はまだ君といるのか』
「えぇ。楽しませて貰いましたよ」
『彼女と寝たのか? 凄いな、まさか彼女が落ちるとは思わなかった』
「感心してる場合なのか? 」
『……あ、そうか。タトゥーを見たんだな』
「あぁ。お前のイニシャルがあった」
『残念。たまたま同じだけであれは俺じゃない。彼女の夫のものだ』
「夫?! 結婚してるのか? 」
『なんだ聞いてなかったのか』
慌てて眠っている彼女の手を見に行く。指輪はない。どういうことだろう
『じゃあ、俺はこれで。凛子によろしく。降谷零くん』
「待て……」
そこで電話は切れた
改めてベッドで寝ている女を見る
そういえば彼女について知れたことはコーヒーと酒が苦手で甘いものが好きということだけだった……面白い
意外にもミステリアスな彼女について調べるか、本人から聞くか、どちらにするかを考えながらミネラルウォーターを飲む
喉を潤してくれたそれはとても冷たく。少しだけ頭がキンとした
〜fin〜
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