第2章 一戦を越えて
「あ 次なんだっけ?」
「えーと国語」
雪音は教室に入って来た、同年代くらいの生徒達の会話に、さりげなく耳を傾けていた。
「なぁ宿題見せてくれ」
「またか!」
「柔道なんてやめろって母さんに言われてさ ケンカしてたんだ」
「都大会はどーすんだよ」
すげぇ…
同い年ぐらいのがいっぱいいる
「没収されるよ」
「チクんなよっ」
雪音は男子生徒がしていたゲーム機を見て、目を輝かせた。
あれ オレもやってるやつだ!
雪音は自分は他の人からは見えないことを良いことに、男子生徒二人の座っている席の前まで行き、ゲーム画面を覗いた。
おーっ!
一緒にやりてぇな~~~
「兄ちゃんに手伝ってもらった」
「今日遊び行っていい?」
いいな…友達