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キミのとなりで ずっと【気象系BL】

第9章 バレンタイン



「切りまーす!」
「お願いします!」

冷めたブラウニーを食べやすい大きさに切り分けていく。

どうしても出来ちゃう端っこの不格好なところは…

「食べちゃお♡」
「味見味見」
「いただきまーす」

お行儀悪く立ったまま、3人で手で摘んで口の中へ。

「おいしーい♡」
「うん!美味しい!」
「もっと食べたくなっちゃうね」
「もうちょっと食べちゃう?」
「食べちゃおう!」
「止まらなくなっちゃうー!」

いっぱい自画自賛して。
切れ端じゃないところまで食べて、くふふって笑い合う。

「ラッピングしよ」
「なくなっちゃう前にね!」
「あはは」

可愛いラッピングも事前に調べ済。
ブラウニーと冷やしてたマンディアンをそれぞれラッピングして。

「完成ー♡」
「やったー!」
「お疲れ様ー!」

3人でハイタッチ!
達成感でいっぱいだ!

「楽しかったね!」
「うん!楽しかった!」
「あとは渡すだけ!」
「ちょっとドキドキするー!」

にこにこ本当に楽しそうな智と風間。
楽しそうに見えてたけど、改めて言葉にしてもらえると安心する。

でも楽しそうな2人と反対に、俺はちょっと不安になってきた。

だって去年も準備してる時は楽しかった。
当日あんなことになるなんて思ってなかったんだ。

今年は去年みたいなことはないとは思うけど…どうしても去年のことが頭をよぎる。

「ニノ?」

不安が顔に出てたのか、智が心配そうな顔になる。

心配掛けたくないのに、うまく笑えない。
漠然と不安なだけだから説明も出来ない。

でも智には不安の原因が分かっちゃうんだ。

「大丈夫だよ、ニノ」

ふんわり抱き締められて、いつの間にか強ばっていた体から力が抜けていく。

「もし今年も何かやらかすようなら、俺がぶっ飛ばしてあげるからね」
「ふふっ…」

智がいたずらっぽくウインクするから、つい笑っちゃって。

風間が優しく背中に添えてくれた手からも力をもらう。

1人だったら不安で仕方なかったと思う。
2人が居てくれて本当に良かった。

「明日楽しもうね」
「うん♡」

今度はちゃんと笑えた。

うん、大丈夫!
明日はみんなで楽しいバレンタインにするぞ!

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