第3章 屋上の二人
「あの、助けくれてありがとう…。でも、教室に戻らないと…。」
私は戸惑いながらもそう伝えた。
屋上なんて初めて来た。
そう思ってるのも束の間。
自習中だが、仮にも授業中ということを思い出したのだ。
伶斗「さっき、教室で泣きそうになってたじゃん。なのにあの教室戻りたいの?」
そう言われればそうだ。
あのとき助けが入らなければ、ひとりで逃げようとしてたんだっけ…
「今はあの教室、戻りたくないです」
頑張って私は素直に言った。
伶斗「そっか。じゃあ、俺とここでサボろう! あっ後、俺の事は伶斗でいいから。」
こう返してくれた。
初めて授業をサボった。
自習だけど。