第39章 謎は湯煙に消える(武田信玄)
その夜
忍「佐助君、夜遅くにごめん」
佐助「いや大丈夫だ。
お茶とか出した方がいい?」
忍「ううん大丈夫・・・」
忍はお茶をいれようとした佐助を止める。
佐助「それでどうしたの?」
忍「その・・・」
佐助「信玄様と何かあった?」
忍「!!」
佐助「図星か・・・
何をされたの?
場合によっては、
信玄様の部屋にまきびしを・・・」
忍「ち・・・違うの!!その・・・」
忍は慌てて、
佐助を止めながらも考え込むと、
やがておずおずと口を開く。
忍「その・・・信玄様と・・・
今度温泉に行くことになって・・・」
佐助「へえ温泉デートか。
信玄様の隠し湯は、
五百年後でも有名だ。
歴史好きとしては、
うらやましい限りだな」
忍「そうなんだ・・・」
忍は佐助からの知識に、
ますます沈んだ顔になる。