第4章 君に捧げる恋歌(今川義元)
義元「そう?でも・・・ごめんね。
もうあそこにはいけないかもしれない」
忍「それはどういう・・・?」
忍が聞くより先に、
義元は忍の身を床に押し倒すと、
その身体に自分の身体でのしかかっていた。
義元「ごめんね・・・君の歌声はもっと聞きたい。
でもそれだけじゃもう満足できないんだ・・・
君がこんなに近くにいるのに・・・
なんでかな、ひどく遠くに感じる・・・
君が欲しくてたまらないのに・・・」
義元は声を荒げ自分の下で、
呆然としている忍にそう告げる。
義元「許してくれなくていい・・・
俺を受け入れてくれなくてもいい・・・
でも今だけ・・・俺の物になって・・・」
義元はそういうと忍の唇に、
自分のそれを重ねていた。
義元の男にしては長い青い髪の毛が、
忍の淡い金色の髪が、
お互いの顔のそばで触れる。
いつも歌を奏でるその唇の感触を、
義元は自分の唇や舌で味わう。
義元は唇を離すと、
忍の着物の衿に手をかけた。