第33章 拘束された夜(顕如)
忍は、
白い傷のついていない細い指で、
そっとその不完全な顕如の一物を、
ツンとつついた。
顕如のモノは、
それだけでピクンと動く。
忍は、
そんな反応が面白いのか、
どんどん悪戯を加速させていく。
指だけでなく手全体で、
顕如のモノに触れる。
不完全な硬さだったそれは、
だんだんと忍の手の中で、
硬さや太さを増していく。
ついには重力に逆らうように、
顕如のモノは天を向いた。
顕如は忍に触れられ、
ここが牢の中であることや、
ほかの宗派では波羅夷(はらい)
となるであろうその行いに、
必死にあらがっていた。
今は復讐のため、
罪を犯すことすら、
いとわない身とはいえ、
かつては高僧として、
己を律していた身だ。
女人に劣情に抱くなどあってはならぬと、
顕如は心の中で己を叱る。