第30章 ああ勘違い(森蘭丸)
だが白濁したものはとれても、
においはとれなかったのか、
蘭丸はかすかに顔をしかめる。
蘭丸「ごめん、
においついちゃったね」
忍「本当だ・・・」
二人を気まずい沈黙が襲っていた。
蘭丸「ねえ」
忍「何?」
蘭丸「もしだけどさ・・・
次なんかあったら、
今度はもっと先に、
いってもいい?」
忍「先って・・・」
蘭丸「さっき言ったでしょ?
直接くっつきたいって、
初めてだから、
気持ちよくなれるか自信ないし、
むしろ痛い思いをさせるだろうけど、
それでも俺は・・・
直接くっつきたい」
忍「・・・“友達”は、
そんなことしないよ」
蘭丸「そうだね。“友達”はしないと思う。
でも俺たちは“友達”じゃない。
ううん、もう“友達”には戻れない」
最後に蘭丸の言葉が、
強く忍を支配するのだった。
おしまい