第26章 変わる絆(今川義元)
それからしばらくして・・・
義元「忍いる?」
忍「よ・・・義元様!?」
義元が部屋を訪れると、
そこには女物の着物を、
着る忍と、
それを楽しそうに、
眺める信玄がいた。
信玄「なんだ義元」
義元「信玄何してるの?
そんで忍何その恰好」
信玄「いや何・・・忍は女の子だろう?
いつまでもあんな恰好をさせるのは、
かわいそうだと思ってな」
義元「・・・信玄まさか気づいてたの?」
信玄「当たり前だろ。
俺が女の子か、
そうじゃないかを、
気づかないわけない。
特に忍みたいな、
かわいい子ならなおさらな。
でお前がやっと、
それに気づいたことにもな・・・」
義元「気づいてて、
黙ってたってわけか・・・悪趣味」
信玄「悪趣味ね・・・かもな」
義元「忍。
信玄に手籠めにされるといけない。
俺の部屋に行くよ」
忍「は・・・はい」
義元は忍の手をするりとつかみ、
部屋から連れ出した。
信玄「手籠めも悪趣味も、
どっちがなんだか・・・」
信玄のぽつりと漏らした独り言だけが、
忍の部屋に響く。