第14章 交換留学?SIDE安土(蘭丸の章)
忍「うかつだったなぁ・・・
信長様がここまで、
人から恨みを買ってたとは・・・」
幼女の姿となってしまった忍はため息をつく。
乱世に生まれた身ゆえ、
そういう争いを知らぬわけではないが、
女子供ということもあり、
忍にとって争いはほとんど無縁だった。
自分の上司である信玄と、
信長が争っているのは知っていても、
忍は信長に恨みがあるわけではない。
上司の故郷を奪ったことに、
思わないことがないわけではないが、
信玄とその部下である幸村なら、
必ず再びその故郷を取り戻すだろうと・・・
そんな思いが強いからかもしれない・・・
だからこそこんな仕込みをされるほど、
信長が人から恨みを買っていることが、
忍にとっては理解ができなかった。
??「蘭丸が戻りました」
そんな折家臣の一人が誰かの帰還を告げた。
蘭丸という言葉に、
ふと懐かしい一人の男がよぎるが、
その人物が安土にいるわけがないと、
忍はその想像をすぐに打ち消した。
蘭丸「信長様ただいま戻りました」
男にしては高く幼く、
しかししっかりとしたその口調の声が聞こえ、
小柄ながら鍛えられた男が襖をあけて入ってきた。
その姿は先ほど想像させたその人だった。