第12章 桔梗と葵(明智光秀&徳川家康)
言われずとも行為での忍の姿が、
光秀の言葉を肯定しているのを物語っていた。
三河の国で自分と別れた彼女は、
初々しく男を知らぬ、
清らかな乙女だったはずだ。
だが久々に再開した彼女の・・・
先ほどの様子はと聞かれたら・・・
初めてではなく幾度も男にその身を捧げた・・・
男を知ってしまった女そのものだ。
同時に家康はもう一つ、
ある事実を知ってしまった。
忍は人質ではもうないことを・・・
光秀は今俺の女と言っていた。
光秀は端から見せしめのために、
あえて家康を試すかのように触れさせたのだと・・・
光秀は自分に一度たりとも、
直接蜜壺に触れさせはしなかった。
そこは自分のモノだと・・・
家康「・・・ここ触らせてくれませんでしたね。結局」
光秀「ここに触れることで、
お前によけいな気を起こされても困るからな。
あと俺はほかの男のややを育てる、
お人よしではない。
そして言っておく。
もう二度とこいつに触れることと、
邪な目で見ることは許さん」
光秀の目に家康は恐れを抱いた。
ああ・・・勝てはしないと・・・
おしまい