第10章 500年後の俺と500年前の君(猿飛佐助)
佐助「大丈夫かい?忍さん」
佐助は忍に、
水の入った袋を渡しながらそう問いかけた。
忍「は・・・っ・・・あぁ・・・」
忍は過呼吸を起こしたかのように、
切なげな声が返ってくるばかりだった。
佐助はそんな彼女の背中をさする。
やがて忍の目から涙が落ちると、
そのまま泣き始めた。
佐助は忍の身体を抱きしめる。
忍は佐助の胸に、
顔を押し付け泣きじゃくった。
幼馴染だから、
舞がいるからとごまかしていても、
忍の幸村への想いは本物だったのだ。
幸村が幸せならそれでいい。
そう言い聞かせ続けたその心が、
二人の交わりを見て、
ついに限界がきてしまったのだった。
佐助はそんな彼女を、
見ていられなかったのだろうか、
忍の顔に触れると、
その唇に自分の唇を重ねていた。
触れるだけの口づけだが、
忍の涙を止めるには十分すぎた。
NAME1#「佐助・・・さん・・・?」
佐助「ごめん・・・約束破った」
佐助はそういうと、
再び忍に口づけをする。