第9章 指南書(森蘭丸)
忍「ん・・・濃いのが出たね」
忍は蘭丸の様子に、
そうつぶやいていた。
蘭丸「・・・つ、ご・・・ごめんなさい」
蘭丸はモノを、
引き抜きながらそう言った。
忍「何が?」
蘭丸「だって中で・・・
それにあなたより先に・・・」
果ててしまいました・・・
蘭丸のか細い声が部屋に響く。
忍「いきなりはうまくいかないものだよ。
中は・・・そうだね・・・
大丈夫だから、
気にしない気にしない」
忍は蘭丸を慰めるようにそう告げる。
その態度はまだ余裕そのものだった。
蘭丸「・・・」
蘭丸はその様子を、
複雑そうに見ているしかなかった。