第7章 上杉の忍び(佐助ED)
佐助も忍も互いのことは好きではあるが、
その好きの種類が違うことに、
佐助は前から気づいていた。
忍は佐助のことをずっと現代人仲間で、
謙信の忍びとしての同僚、
そして友人として自分を好きということに・・・
だが佐助自身はそうじゃないことに・・・
たしかに同僚や仲間という好きがないかと聞かれたら、
そういう好きという感情がないわけではない。
だがそれ以上に佐助が忍への感情として、
強いのは好きな異性という恋情だった。
だが忍がその感情を望まないのにも気づいていて、
それならばいっそ隣でいれるなら友情でもいいだろうと、
ずっとその気持ちを隠し偽っていた。
実際その偽りのおかげで、佐助は四年以上も、
忍の隣に立つことができていた。
だが営みのための場所で、
佐助のそんな偽りの仮面を壊すような、
忍の姿に、佐助はすでに限界だった。