【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第69章 ココロに触れたい
あの日から数日が経っていた。
『キスされた 』
真意が知りたい。
逃げてばかりで気持ちを確かめなかったら、前には進めないよね。
「お邪魔します......」
「いらっしゃい」
でも、やっぱり大胆すぎたかな?
考えるより先に身体が動いちゃって、部屋に来ていた。
でも......何が大胆って、増長さん以外の人は全員仕事だから。
二人きりだ。
なんて切り出せばいいんだろう?
促されるままソファーに座って悶々とする。
「どうして、キスしたんですか?」
いや、単刀直入すぎるよね。
さすがにびっくりする。
こういう時って、どうやって聞くんだろう。
「さっきから、唸ってるけど......大丈夫?」
コトッと置かれたグラスにはアイスコーヒー。
「ああ、はい!ありがとうございます」
「どうしたの?何か困ったことでもあるの?」
優しく微笑みかけられると、もう......いたたまれない気持ちになる。
だって......増長さんは本当に普通だから。
至って普通で、あれは幻覚だったのかな?
好きすぎて遂に幻覚を見てしまうまでになったの?
もしそうなら......どこから幻覚?
「ちょっと、こっちに来て」
手招きをされると言われるがままに近づいた。
心臓はバクバクだけど、平然を装っていると思う。
頭にそっと触れる手......意識はそこに集中して頭は沸騰しそうだ。
「髪飾り、ずれてたから」
パッと手が離れるとその香りが遠のいた。
大好きな香りが離れて、安心したような、寂しいような。
「ありがとうございます......」
私は下心の塊だ。
あんまり彼に近づかない方がいい。
そうしないと......前みたいに自分からキスしようとしてしまうかもしれない。
ばれないようにさり気なく離れた場所に座り直した。
綺麗な瞳と目があって、グラスを持ち上げる。
「いただきます!」
「うん、どうぞ」
そのまま、そこに口付けた。