【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第66章 届けたい、この想い
「まっすーは記憶も戻ったんだね!本当に良かった〜 ♪ 」
イベントが無事に終了して私達は帰り支度をしていた。
確かにそっか、混乱していたけど婚約するってことは彼は記憶も......。
「どうして?戻ってないよ」
「「ええっ!?」」
「それなら、どうして......?」
北門さんも困惑している。
ここにいる皆が頭上にハテナを浮かべているだろう。
「もっと知りたいと思ったんだ」
ふいに目が合うと微笑んでくれる。
「それだけで......婚約したんですか!?」
「そうだね。一緒に歌って楽しかったし、みょうじさんの婚約者は俺だったんだよね?」
「婚約者は......違います!速やかに撤回してください!!」
そんな理由で婚約なんて!
やっぱり婚約者として責任を取ろうと......でもどうして知られたのかな?
「一緒に居たら楽しそうだし......いいかなって」
「ええ......」
結婚願望が無かった人とは思えない!
適当すぎる!!
「戻って来たね」
あの後、腕を引かれて着いたのは増長さんの病室だった。
「さっきのこと、理由はそれだけじゃないよ。仲直りした日に抱きしめたいと思った......誰かにそんなこと思ったの初めてなんだ」
それは前にも聞かせてもらったことがあることだった。
いつもは受け身だったって。
「声が出たのも......行って欲しくなかったから。謝って仲直りしたかったからだよ。あんなに酷いことを言ったのはどうしてだと思う?」
「私に腹を立てたから?」
それしかないよね?
「そうだね。覚えている限りで俺はそこまで人に怒ったりしないんだ。自分を見失うくらい誰かに執着したことなんてないし。あと、詰めが甘いかな」
取り出されたのは彼の携帯電話。
「口止めは完璧で百達に頼んで証拠は全部隠した?」
「え......?」
やっぱり自分が婚約者だって知ってる。
でも、携帯電話に証拠なんて......。
電話の履歴は私だけじゃないし、JOINでは大したやり取りしてないと思う。
だから、ばれるはずがないって気にも止めていなかった。
「そもそもあの日までは開けなかったんだよね」
はいっと渡されたそれを両手で受け取る。
「何番だと思う?」