【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第65章 Andante
「ごめんなさい!」
喜びのあまり彼の両手を掴んでいたことに気付いて、慌ててその手を離した。
また、不快な思いをさせてしまったかもしれない。
更に信用が無くなってしまう。
それは仕事仲間としても由々しき事態だ。
「お邪魔しました......」
慌てて立ち去ろうと再び扉に手をかけたけど、掴まれた肩。
そのままぐるんと身体が反転する。
向かい合った彼の唇が動いて......
『この前はひどいこと言って本当にごめん。あんなこと言うなんて......本当にどうかしてた』
頭を下げて......謝られた?
「いえ!実は私、増長さんにいつも『無防備』って言われてて......だから自業自得なんです。顔を上げてください!」
目が合うと笑っていたと思う。
まずは仕事仲間として仲良くなれたら良いな。
「あ、そういえば......渡したいものが......」
バッグを開いてそれを中から取り出した。
「明日、この病院でイベントがあります。今はお仕事を休んでる状況ですから、近くからは難しいですけど......此処から見ててください!みんな、一生懸命頑張るので!!」
ずっと準備していたイベント。
開催場所はこの病院だった。
『ありがとう』
そう笑う彼を見れば、何でも頑張れそうな気がする。
釣られて口元が緩むのを感じたーー。