【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第63章 まっすぐな恋心
全てはリセットされて、また初めからになった。
最初は会話もぎこちなくて......。
彼からすれば筆談ということもあるけど、それ以上に親しくない私との会話というのが大きかったんだと思う。
最近はちょっとずつだけど、前みたいに自然に会話できるようになってきた。
一人で来れば気を遣わせるだろうし、いつも誰かに付き添ってもらっているんだけど、問題は......
「それでですね、マミリンが......!」
彼のマミリン愛が止まらないことだ。
増長さんはアニメに興味がない!
そんなこと、帝人さんが一番分かってるのに!
「帝人さーん!」
腕を掴もうと、伸ばした手を掴まれた。
掴んだ手は増長さんのもの。
『こうなったらもう止まらないから、放っておこうか?』
「なるほど。それが正しい取り扱い方......」
頷いているとばっちり目が合った。
なんだか、きょとんとしているような。
「えっと......喋り出したら止まらないから?」
そのまま首を傾げると彼は軽く吹き出した。
『みょうじさんってそういう事言うんだね』
そっか、私のことを知らないから。
「私も好きなことの話になると止まらなくて!」
『そうなんだ』
増長さんは驚いた顔をしている。
覚えてないから、初めて聞く話だよね。
「増長さんが華麗に場を収めてくれたこともありました。本当に人の扱いが上手です!」
『それって褒められてる?』
「もちろんです!MooNsも上手にまとめてるし」
『そんなにすごいことじゃないよ。でもありがとう』
以前と変わらない笑顔。
一緒に笑い合える時間が増えた気がする。
すごく居心地が良い。
私は彼の作る空気というか、側に居られるだけで安心させてもらってるんだと思う。
ばれないようにその横顔を見つめていると、大きな音がした。
隣を見れば帝人さんが立ち上がっている。
なんか......慌ててる?
「ああっ!もうこんな時間!!マミリンが......リアタイ!リーダー、また来ます!」
「え、あ......帝人さ......」
風の様に行ってしまった......。
『忙しないね?』
「ふふっ、本当ですね。私も追いかけないと!お邪魔しました」
頭を下げるとそのまま席を立った。