【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第62章 With my life
「とにかく、事を大きくするのは賢明じゃないわ。和南の目が覚めてからどうするか決めましょう」
彼女の処遇もまだ決まってない。
その立場を悪くすることは彼も望んでいないと思う。
一命はとりとめて、眠ってる。
切ったのが頭だったから出血は多かった。
今まで信じようとしなかった神様。
これからは、たくさん感謝しないといけないと思う。
愛しい人が生きている。
息をしている。
ただ、それだけが......幸せだと思う。
病室にいる北門さんと私以外の皆は待合室にいるみたいだ。
目が覚めたら、まず謝って、感謝を伝えて......気持ちばかりが焦る。
ブッ、ブーッ
バイブの音に携帯を見る。
お母さん......。
「電話?俺がついてるから大丈夫だよ」
「ありがとうございます。お願いします」
その場を離れて通話の文字に触れた。
「もしもし......」
「なまえ、増長くんは大丈夫なの?」
「お母さん、心配かけてごめんね」
電話は母からだった。
後ろから友人達の声も聞こえる。
「聞いてたから、事件が起こってることは知ってたけど......まさかこんなになるなんて」
視界の端には、こちらに来る北門さんの姿が映った。
「目を覚ましたよ!」
「お母さん、目が覚めたって......また連絡する!」
そのまま、慌てて病室に向かった。
夢かと思った。
ベッドに座って、目を開けている彼がいる。
周りには北門さんが呼んでくれたのだろう、先生と看護師さんの姿があった。
本当に良かった。
まずは、謝らないといけない。