【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第61章 存在理由
誰もがそうだ。
大切なものを失う時。
運が悪ければ、それは一瞬のこと。
もし、神様が命を操作できるなら
生かす人、殺す人。
同じ場所にいても元から分けられている。
同じ時刻、同じ便の飛行機。
それでも分けられる。
その日、何かの理由で便を遅らせる人もいるだろう。
何が悪かった?
どこで間違えた?
「カズはなまえが大好きだから」
「本当に和南はなまえがいないとダメだよね」
北門さんと愛染さんはよくそう言ってた。
「俺には、みょうじさんが絶対必要だよ」
増長さんもそう言って、抱きしめてくれてた。
きっと本当は逆だった。
泣き虫な私が泣かないように、不安にならないように、
両手いっぱいの愛情を、言葉や態度で示してくれてた。
あまり自分から触れない私に、いつも躊躇なく触れてくれた。
沢山、優しくしてくれた。
沢山、愛してくれた。
もし、この世界から彼が居なくなってしまったら......。
そう考えるだけで気が狂いそうになる。
もっと素直になれば良かった。
もっと好きって言って、もっと沢山触れたかった。
私の存在する理由。
その大きな部分。
それは、いつしか彼になっていたーー。