【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第61章 存在理由
「和南は?」
「血が......」
絞り出した声は酷く掠れて、自分の声じゃないみたいだった。
全部、覚えていない。
どうやって救急車を呼んだのか。
どうやって乗り込んで、
どうやって、ここまで辿り着いたのか。
どうして?
なんで?
「なまえちゃんのせいじゃないわ......」
夜叉丸さんの抱きしめてくれた体温に......
彼のおかげで無事だって実感する。
同時に、なんで自分じゃなかったんだろうと思った。
「なまえちゃん......」
つばさちゃんと皆も来てくれた。
きっと、それほど時間は経ってない。
それなのにそれはとても長く感じられた。
「来てくれて......ありがとう」
そちらを見ながら、絞り出した声。
そう言うのが精一杯だった。