【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第57章 Heart melter
好きな人と、当然のように側に居られる。
それは、すごく贅沢なことだと思う。
「みょうじさんを抱いてる時は、俺達以外いらなくて......世界に二人しかいないみたい」
考えたくない現実がある。
解決策も見つからないまま、不安な気持ちは同じだよね......。
「ふふっ、確かに......他の人を気にする余裕がないかもです」
少しでも安心させたくて首元に擦り寄ると、優しく抱きしめられた。
「本当は、すごく後悔してる」
そっと吐き出した声。
それは、とても苦しそうで切なくなる。
後悔......?
「今回のことで確信した。その人は俺達のことを知ってるんだね......そもそも俺は、関係を隠そうとさえしなかった......みょうじさんを傷つけない為には、それが正解だと思ってたんだ」
「自分のせいだと思ってるんですか?」
「実際にそうだよ......ごめんね」
こちらを見つめる彼は、泣き出しそうだった。
その腕を掴むとぐるんと組み敷いて......見下ろした彼は驚いた顔をしている。
「遊園地に行った日に話しましたよね?こういうことが起こる可能性は最初からあった......私も同罪です!」
その身体に思いっきり抱き着く。
「本気でお願いしたらやめてくれるって分かってたけど、止めなかった。私の気持ちを守ってくれたことがとても嬉しかったからです。だから、増長さんは間違ってないです!」
「みょうじさん......」
「私、決めてるんです......自分の選択に後悔しないって。誰に批判されても、悩んで決めたことを否定したくないんです。自分だけは自分の味方でありたい......でも、私はいつでも増長さんの味方でもありますからね」
彼が選んだ道を後悔してほしくない。
一緒にその思いを尊重してあげたい。
「だから私が怪我をしても自分のせいですよ。あとは......信じたいんです」
そちらを見れば困惑していることが分かる。
「待って......まさかとは思うけどその人のことじゃないよね?みょうじさんに怪我させた人だよ?」