【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第56章 僅かな確証
その後は彼らが付き添うと言ってくれたけど、断って一人で病院に来ていた。浅い傷だと思うし、これ以上迷惑はかけられない。
診察室に入ると予想通りで、手当てのおかげで血はすっかり止まっていたみたいだ。
大したことなくて良かったし、何より北門さんに怪我がなくて本当に良かった。
私はA&Rなんだから、彼らを危険に晒さないようにしないといけないのに......。
会社に帰る前に一旦連絡を入れておこうと思い、バッグの中から携帯を取り出す。
視界の端によく知っている人が映った。
「増長さん?」
どうしてここにいるんだろう。
「お仕事......」
グイッと腕を引かれれば、言い終わる前に抱きしめられる。
「急いで終わらせて来た。そんなことより、怪我は大丈夫?」
身体を少し離されると、心配そうに顔を覗きこまれた。
「わざわざ来てくれたんですか......全然、平気です。ちょっと大袈裟ですよね?」
笑って腕の包帯を見せたけど、その表情は暗い。
「本当に心配した......側で守ってあげられなくて、ごめんね」
頭を撫でてくれる手はいつも通り優しいけど、彼は泣きそうな顔をしていた。
「傷は、すごく小さいんですよ!だから、そんな顔しないでください」
その両頬を掴んで、ぐにぐにする。
「笑ってください!って、あれ?こんな時もやっぱりかっこいいし、美しい......一体どうなってるんですか?」
目が合うと少し笑ってくれた。
その笑顔に安心すると、そのまま車に乗り込む。
「今日は、甘えたなんですか?」
抱きしめられたと思えば首元に擦り寄ってきて、本当にどうしたのかな?
「もっと、甘えさせて......」
「えっ?」
近づく気配を感じて目を閉じた。
その唇は額に、瞼に、頬に、耳に......余すところなく触れていく。
「もう、だめ。やり過ぎです......」
恥ずかしいのに胸はきゅっとなる。
ときめきで胸が苦しい。
「全然、足りない」
そのまま、唇にそれが触れたーー。