• テキストサイズ

【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います

第52章 My one & only Love


突然、カットがかかった。

どうしたんだろう......?

「増長くん!もっと、本能的に求めるかんじで......」


本能的に、求める......。


「ははっ、百面相してるよ」

「ごめんなさい!どんな感じかと」


ラブシーンの舞台は、主人公の部屋。

部屋に入るなり、彼女を強引に抱きしめて触れるだけのキス。


そこから次第にフェードアウトするんだけど......キスシーンは結構長めで過激。


「愛染さんも、そのうち過激なお仕事とか来そうですね......」

「俺は来ても大丈夫だよ......任せて?」

そう言うと、腰を抱かれた。


「ひ、卑猥ですから!」


彼は、監督さんに何かを話しに行ったようだ。


「大丈夫ですかね?」

「どうかな?」


なにやら、こちらにやって来た。


「お疲れさまです」

撮り直しが多いと疲れちゃうよね。


「いいから、こっち来て」

「えっ?」

腕を引かれると、監督さんの元へ。

優しそうな人で、素敵な笑顔だな......。


「君、前に雑誌の撮影してたでしょ?」

「は、はい!?」

「モデルが来ないとかで騒いでたから、僕も覗きに来てたんだよね!」

ああ......あの、消し去りたい過去。


「遠くから見ても可愛いかったけど、近くで見ると更に可愛いね〜!」

「滅相もございません!」

本当に、恐れ多い......。

この業界の人達は、お世辞がとても上手だから。


「顔を映さなくて良いなら、この子とやらせてほしいって言われてしまって......鈴木さんとの最高のシーンより、遥かに良いシーンになるって言われたら......ねぇ?

僕も君のことは知ってるし、この映画には思い入れが強くて......どうかな?」


そうなんだ。

ええええっ!?


「大変恐縮ですが、お断りさせてください!」

混乱したままガバッと頭を下げた。


増長さんは......正気?

今回は相手の人がいるのに。


彼の方に視線を向ければ......満面の笑みだ。
/ 1163ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp