【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第50章 Still a secret
可愛い......本当に単純なんだよね。
『嘘をつくのは彼女の為だけ』って言ったことがあるけど、これも彼女の為だよね?
俺たちは両思いだし婚約してるんだから。
交際中はキス以上はしない。
あの攫った日から数ヶ月我慢した。
婚約者になったら「触れていいかな?」って。
本当は結婚するまで待つべきだと思うけど......彼女に言われたら、その時は待つよ。
でも......
「やっぱり先にお風呂に入らせたのは間違いだったかな?」
お風呂から上がって部屋に戻ると、ベッドの上に彼女の姿があった。
「寝てる......」
そっとそちらに近づく。
相変わらず寝顔は幸せそうで口元が緩んだ。
誘われるようにその髪に触れて口付ける。
やきもちを焼かないわけがない。
こんなに可愛いくて、愛しくて仕方ないのに。
でも嫉妬を表に出しすぎたら彼女を傷つける。
皆の気持ちが分かるのも本当だから......。
束縛したくてもしすぎたらだめ。
信用してほしいなら、俺が彼女を信用しないといけない。
彼女も俺を信用しようとしてくれている。
さっきのは素直なやきもちだった。
可愛いすぎたな......思い出して顔が熱い。
「一人で照れるとか乙女かよ!」って内心突っ込んでしまうけど......。
「早く名前で呼びたいな......」
俺の中にそういう思いがあることを彼女は知らないだろうし、ずっと呼ばなかった理由もしばらくは内緒にしておこう。
「なまえ、大好きだよ......」
可愛い唇に口付けて愛しい名前を呼んだこと。
彼女にはまだ秘密ーー。