【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第47章 本当の自分
「おい、和南!」
愛染さんの声がすぐ後ろで聞こえた。
「お前もちょっとは言い返せよ!」
剛士くんに肩を掴まれて、目を合わせられる。
「なまえ......。」
剛士くんの顔が悲しそうに歪んで、私の顔に触れた。
あっ、泣いてたんだ......。
触れた先には、涙が流れている。
部屋を出る瞬間の彼の顔は、悲しみに歪んでいて......それを思い出してもっと胸が痛くなった。
「お前、バカだろ。」
そのまま強く抱きしめられると、我慢できなくて。
「うっ......わああああん!」
子供みたいに声を上げて泣いた。
全部、間違ってたのかな?
やっぱり、あのままA&Rを辞めた方が良かった......?
違うよね。
例え、彼と別れてしまったとしても、彼らと仕事を出来ることはやっぱり嬉しい。
戻ってきて良かったんだ。
戻らせてくれたのはやっぱり増長さんで、感謝してもしきれない。
恋人じゃなくてもいい。
彼にあんな顔をさせてしまった私には、そばに居る資格はない。
気にさせるかもしれない。
その後は、腫れないように急いで目元を冷やした。
まだ私を見てくれてるなんて、自惚れだよね?
「大丈夫?」
つばさちゃんが心配して来てくれた。
「つばさちゃんだったら良かったのに......。」
彼の相手がつばさちゃんだったら、私のようなヘマはしないだろう。
「え、なまえちゃん......どうしたの?」
沙知達にも話さないと。
怒られるかなって、そう思えたら意外と笑えた。
あれ......案外、大丈夫?
辛くても彼の前では笑ってないといけない。
そうじゃないと、余計に気にさせる。
それが、今まで好きでいてくれた彼への感謝の気持ちだと思うから。