【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第46章 心地いい時間
「おはよう。」
目を開ければ、綺麗な顔があった。
そっか、うちに彼も泊まってくれたんだった。
「おはようございます。」
なんだか照れくさいな。
目を擦っていると頭を撫でられる。
「可愛い寝顔だったよ。」
「み、見てたんですか?」
「うん、可愛いから起こすのが勿体無くて。」
その言葉に顔が熱くなる。
「そういうことサラッと言わないでください。でも、昨日は夢のような一日でした。」
「うん、俺はとても幸せな一日だったよ」
二人で寝転んだまま会話をしているとお布団から出たくない。
「東京には明日帰るんですか?」
「うん、明日一緒に帰ろう。でも、急だよね?後日帰って来るなら、迎えに来るからどっちでもいいよ。」
「本当に老若男女問わない優しさです。」
「ふふっ、なんの話?」
その時部屋をノックする音がした。返事をして扉を開けると廊下には母の姿がある。
「おはよう。」
「おはよう。どうしたの?」
私達のやりとりに増長さんもこちらへやって来た。
「おはようございます。昨夜はお世話になりました。」
「おはよう。夜ご飯は皆で食べましょう。あと増長くんは、今日も泊まって行きなさい。明日は駅まで送るわ。」
「は、はい。お世話になります。」
有無を言わせぬ、私の母。
綺麗な顔して、強いんだから......。
「お父さんも私も出かけるから、戸締りよろしくね!」
「うん、色々ありがとう。行ってらっしゃい!」
扉を閉めると同時に増長さんの腕に収まる。
「おはようのキスしようか。」
「えええっ!」
なんだか朝から......超絶甘い。ふわりと笑う顔はまさに王子様だ。セットされていない下ろした髪が新鮮で、見れるのは限られた人だけだからか何だかくすぐったい。そんなことを知らず増長さんは、至近距離で顔を覗き込んでくる。
「どこにしようかな?」
「ど、どこもだめです。朝から心臓に悪いし」
「ふふっ、ここにしよ。」
チュッと唇にそれは触れた。
「んっ、手加減してください......」
「それは無理なお願いかな?だって可愛いから我慢できないんだよね。」
そうは言われたけど、くすりと笑う顔は余裕そうに見えた。