【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第1章 Happeningは運命の予兆
声の先には黒髪の歌が上手な人が居た。それにしても、ちんちくりん?
見た感じつばさちゃんの身長は165cmほどありそうだ。可愛い容姿に背が高めなところも素敵だが、ちんちくりんは主に私のことだろうか。
「ちんちくりんじゃないですぅ......」
本当はそう言いたい......でも我慢だ。ここにいる中で背が低いことは正論だし、見るからに彼らも高身長な人が多い。
「声に出てる」
「え......あ......」
黒髪の彼の指摘に間抜けな声が漏れる。まさか声に出ていたとは何て失礼なんだ。慌ててそちらに頭を下げて「し、失礼しました!」と声を上げた。初対面からあり得ない失態をしてしまう自分が恥ずかしい。彼からの印象は最悪だろう。
「はいはい!二人とも社長直々の異例の人事なんだから、あんまりいじめちゃダメよ」
「こいつらが?」
「いじめてないって!」
「新人ちゃんへの愛情の印だよ?」
内心やらかしたと思いつつ、呆然と彼らの会話を聞くしかなかった。
その時、誰かの携帯が鳴った。それは夜叉丸さんの物だったようだ。誰かと通話を始めた様子を見ながら、隣のつばさちゃんを見ると真っ赤な顔で目を回している。すかさず彼女の肩を叩いたと同時に、夜叉丸さんが大声を上げた。
「はっ......?何よ、それぇええ!!」
そそくさと出て行く様子に「お願いだから、置いていかないで」とその背中を見送った。