【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第41章 Fake Marriage
「そっか、それなら俺はついてるね」
それでも笑ってくれる姿に物理的だけじゃない。
心の距離も、離れてしまったのだと痛感した。
互いの距離が近づいて見えた感情が確かにあった。
でも今は......増長さんの感情が全く見えない。
「どうなのかは分からないですけど......細かいことはどうでも良いじゃないですか。今この場を楽しめば」
余計なことは要らない。
今、この場所に私の気持ちは必要ない。
彼への恋心がこの時間を壊してしまうなら、今ここで捨てよう。この時間が終わったら全て忘れたみたいにこの場所で生きていく。
体を起こして、その唇に誘われるように触れるとそのまま舌を割り入れた。そのまま舌を絡め取って、綺麗な首すじに舌を這わせるとバスローブを緩ませて胸の先端に吸い付く。
「待って!」
ガシッと肩を掴まれて、きっときょとんとした顔で彼を見つめていたと思う。増長さんはとても驚いているみたいだ。
「どうして俺が食べられそうになってるの?」
「え......?」
「なんか......俺が抱かれそうになってる......」
「ごめんなさい!」
彼が欲しい、彼に触れたいって......暴走してしまった!頬に添えていた手を優しく握られると目線を合わされる。
「ふふっ、優しくするからね」
そのまま倒された身体がベッドに沈む。
「脱がせていい?」
バスローブを脱いだら下は何もつけていないのに、
「はい」
自分でも驚く程すんなり声が出た。でも覚悟は決めても恥ずかしいものは恥ずかしい。
「あんまり見ないでくださいね」
「すごく綺麗......本当に全部が綺麗だよ」
優しい声色に思いが溢れそうだ。でも私はそれを口に出せない。それは結果的に彼を傷つけてしまうだろう。彼の枷になって身動きを取れないようにしてしまうだろう。
見上げた綺麗な顔に涙が出そうになる。
泣いたらダメだ......。
バスローブを脱ぎ捨てた彼が私の胸に触れた。
「みょうじさんは経験無いのに敏感だよね」
そのまま胸の先端を撫で上げられる。
「あっ......」
「反応の一つ一つが可愛い」
「言わないでください......」
「ふふっ、だって可愛いから」
やわやわと揉みしだかれると先端を指で摘まれる。
「んっ!」