【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第38章 ありがとうのStage ! (2期最終話)
「それじゃあ、行きましょうか?」
ライブが終わってその興奮が冷めないまま、隣の夜叉丸さんの腕を掴んだ。
「はっ......どこによ?」
「みょうじくん!」
「みょうじ!」
聞こえてきた声に、大きく手を振る。
「篤志さん、修二さん!」
「えっ?なまえちゃん!?」
「篤志さんにはお話したんですけど、修二さんにも最後までご迷惑をおかけします。」
「いや、手のかかる奴には慣れてるからな?」
「あははっ!剛士くんよりは私の方がマシかと。」
「言うようになったな?」
「ありがとうございます!」
「はっ、褒めてねぇぞ。」
「では、この愛すべきアラフォーを宜しくお願いします!」
今度は修二さんにその腕を掴んでもらう。
「はっ!?何よ!!」
「本当に行ってしまうんだね?」
「はい、今までお世話になりました。皆さんに出会えて本当に良かったです。」
「寂しくなるな。お前が来てから、アイツらも少しは手がかからなくなったと思ったんだが。」
「あはは、私にそんな力はないですよ。彼らが成長している証拠です。」
私が笑うと二人も笑ってくれた。
「夜叉丸さんは私の兄のような人なので、宜しくお願いします!」
「なまえちゃん、新しい生活が退屈だったらまた戻って来なさい。アンタが住む部屋はあるんだから。」
「ははっ、朔ちゃんもみょうじくんの虜なのかな?」
「はっ!?何よ、ソレ!!」
「夜叉丸さん!」
「暑苦しいのよ!アンタ、すぐに抱き着く癖やめなさいよね?」
悪態をつきながらだけど、夜叉丸さんは背中に手を回してくれた。
その手はとても優しい。
「朔ちゃんは本当にみょうじくんが可愛いくて仕方ないんだね。今まで本当によく頑張ったね。私は君の願いを応援してたんだけど」
篤志さんが優しく頭を撫でてくれる。
「これで、いいんです。」
そう言うと、涙が出た。
「おい、泣くな!どんな場所でどんな生活をしてても、絶対幸せに暮らせよ。俺もお前の味方だから。」
修二さんは目元を拭ってくれた。
「はい!また遊びに来る時があったら、ご飯でも連れて行ってくださいね。」
これ以上ここに居たらだめだ、甘えたくなる。
「本当に今までお世話になりました。ありがとうございました!」
私達は、笑顔でお別れをしたーー。