【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第32章 Angel's smile
でも、彼女が出会わせてくれたのかな?
ガンダーラで夜叉丸さんに出会った。
元より知り合いであったなら、私は彼の復讐に付き合っただろう。彼が納得できる日まで、前を向ける日まで。
剛士くんとの出会いがそれを実現する力をくれた。
歌うことを思い出させて、再び私に歌う力をくれた。
彼女の為に歌うのをやめて、彼の為に歌うことを選んだ。
彼を、正しい道に導く手助けがしたい。
彼女は歌声だけじゃない。
中身まで本当に天使の様な人だった。
大切な兄に復讐を望んでなどいない。
彼女の代わりに夜叉丸さんを止めたかった。
ガンダーラに入ってから出会ったつばさちゃんと彼ら。
大切で大好きな存在になった。
それによって、もう一つ目的が増えた。
それを成し遂げるまでは、ちゃんと進まないと。
復讐の道具だなんて......大嘘だ。
本当はとても優しい。
大切に育て上げてきた彼らに、愛情が全く無いなんて絶対に嘘。
彼女が話す兄の話を思い出す。
話で聞くだけでも、とても素敵な人だった。
それを、知っていたから......。
つばさちゃんの側には今、彼らがいる。
私が居なくなっても、彼女を支えて助けてくれるだろう。
もう、振り返ったらだめだ。
私は自分のやるべきことを
成し遂げるんだーー。