• テキストサイズ

【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......

第30章 近くて遠い


「ある時から歌うのやめてたんです。初めてこのスタジオに来た時に、思わず口ずさんだ自分にびっくりして......。どんな歌手より私の心を動かしたのは、剛士くんの歌でしたよ。」


それは、いつもの屈託の無い笑顔とは違って見えた。


「あの日私を受け入れてくれて、練習に付き合わせてくれて......ありがとうございました。」


「お前、何かあっただろ?」

「何もないですよ?」

「俺に嘘ついたら後からどうなるか......。」

「ふふっ。剛士くん、私を脅すのも上手くなりましたよね?」

「はっ?」

「な、なんでもないです!」


あの時、もっと問い詰めたら良かったのか。

でも、お前はそれを望まないだろう......。

恋だの愛だの興味ねぇ。

そんな感情は、仕事の枷になる。


踏み込むことを恐れて、安全な選択をした。

それでも、こいつのことが大切なのは本当だったーー。
/ 1163ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp