【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第29章 Stay who you are
「一人一人違うのにどうやって比べるんですか?増長さんのファンは、他の誰でもない増長さんを応援してるんです。
他の人にその穴は埋められませんし、代わりは居ないです!私の中でも増長さんの代わりなんていません!!」
「ありがとう。みょうじさんって追い詰められると、謎の漢らしさを発揮するよね?」
「ええっ!」
「可愛いくても、こうと決めたら曲げないし」
「可愛いくはないですけど、当時から知ってたら、その人に言い返してたと思います。事故に見せかけて、足くらい踏んでもバチは当たりませんよね?」
「ありがとう、危ないことはダメだよ」
「えっ?私は親友の一人と真逆のタイプなんです。羨ましいと思うけど、そうなりたいとは思わないです」
「どうして?」
「私が私じゃなければ、今周りに居る人と仲良くなれてないかも。それと同じで、私は増長さんだから色々話せるんですよ。つまり、そのままの増長さんで良いんです。」
その言葉に彼がはっとする。
「羨ましくて嫉妬してもいいじゃないですか、生きてれば色んな感情があります。私も頑固だし、自分の曲げれないところは絶対曲げません。汚いでしょ?同じ.....いや、正直私の方が断然汚いと思います!」
ポカンとしている彼。
「あれ......喋り過ぎちゃいましたか?」
「ぷっ、ははっ!」
笑われた......?
「だって......ふふっ、最終的に自分が汚いとか言い出すから」
「つまり......天才も努力してますよ?私からすればBプロメンバー全員が天才ですから!大丈夫、今日は素敵な収録になります。努力は人を裏切りません!」
「みょうじさんは、俺の事を見ててくれる?」
「はい!」
「『皆を見てます』って落ちだよね?」
私はブンブンと首を横に振った。
「ちゃんと......見てます」
「え......?」
「増長さんを一番見てます」
あれ、私......。
「そ、そろそろ、戻りましょう」
踵を返すと力強く抱き寄せられた。
「どういう意味?」
「そのままの意味です。A&Rとして応援してますって意味です」
「A&Rとして一番見てるのが俺なの?」
「そ、そうなんですかね?とにかくこの話は終わりです」
自分の表情は分からないけどきっと酷い顔をしていたと思う。