【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第28章 守りたい君の居場所
「どうして、もっと必死にならないんだよ!どうして、もっと縋り付いてくれないんだよ!ミカちにとって俺たちってそんな簡単に切り捨てられる存在なの!?
俺たちが過ごして来た時間ってそんな紙切れ一枚で終わっちゃうような薄っぺらいもんだったのかよ!」
帝人さんの肩を掴む暉くんの手は、震えていた......。
「そんな......、アニメみたいにはいきません。」
きっと、みんなが苦しい。
見ていることしか出来ない自分が歯痒かった。
ピンポーンーー
玄関のチャイムが鳴ると、訪ねてきたのはつばさちゃんだった。
「つばさちゃん!お疲れさま。」
努めて明るく、いつも通りに。
「なまえちゃん、お疲れさま。明日の追加資料を持って来ました。」
「ごめんね!今日、別の打ち合わせから直帰だったから。」
「ううん、大丈夫!」
私は、自室に戻る帝人さんの背を見守ることしか出来なくて......。
不甲斐ない。
つばさちゃんも帰ってしまったし、私も帰ろう。
「大変な時にお邪魔してすみません......お邪魔しました!」
頭を下げてリビングを出ようとすると引き止められた。
「送って行く。」
「百くん?危ないのでいいです。」
「いいから、来い。」
「えっ、ちょっと待ってください!お、お邪魔しました!」
私は半ば引きずられるようにして家を出た。
「すみません、ご迷惑をおかけして。」
「気にするな。迷惑じゃない。」
彼は口数は多くないけど、とても優しい人だ。
親友と呼べる帝人さんがこんな状況で、戸惑っているだろう。
それなのに、私を気遣ってくれる。
「今日は偶然にもあの場に居合わせてしまって、本当に申し訳なく思っています。でも、一緒に悩ませてください。」
「みかは、なまえにも聞いてほしかったんだろう。今日は、話すつもりで連れてきたんだと思う。」
立ち入っても良いと、思ってくれていたなら嬉しいけど。
「あんたの瞳は吸い込まれそうなほど、綺麗だな......。」
そう言って微笑む彼。オッドアイの瞳に吸い寄せられるように、気づけばその両頬に手を添えていた。
「百くんの瞳の綺麗さには完敗です......それに加えて、お顔も美しいですし。」
こっちの方が綺麗な瞳に吸い込まれそうだ......。