【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第26章 My precious
「ん......はぁ......」
しばらくキスをしているとそのまま彼は寝てしまった。
気疲れして熱が出ちゃったのかな?
頭痛くないかな?
せめて頭は痛くないように私の膝の上に頭を......。
「これでいいかな?」
洞窟の外を見ると辺りはすっかり暗くなっていた。
明日になれば迎えが来るよね?
仕事も入ってるし探さないわけがないもんね。
彼の寝顔を見下ろした。
なんだかあどけないな......。
寝顔を見つめて柔らかな髪を撫でる。
熱が出た時は大人でも幼少に戻ると思う。
心細かったりするし。
早く良くなるように応援する気持ちで何度も何度も頭を撫でる。
うなされたりしないといいけど......。
ーーギュッ
突然その手を握られて肩が跳ねた。
でもーーその表情は辛そうだ。
「母さん......」
お母さん......。
「そっか......」
会いたいよね?
その目元には涙が溜まっていた。
どんな夢を見ているんだろう......?
悲しい夢を見て欲しくなくて、守ってあげたくて、その隣に横になると自分より大きな身体を抱きしめた。
夜が更けると徐々に冷え込んで来る。
様子を見れば表情は心なしか険しく感じる。
やっぱり寒いよね?
身体に触れれば体温が下がっている気がした。
ラッシュガードは彼にかけてるけどこれだけじゃ寒い。
でも今の私はかけてあげれるものなんて持ってない。
オーガンジーのワンピースなんて着て来なければ......ラッシュガードにすれば良かった。
どうすればいいの!?
辺りは真っ暗。
一人で出歩くにはリスキーだ。
何か動物も潜んでいるかもしれない。
私に何かあればそれこそ彼に何があるか......。
低体温症......そんな怖い言葉が浮かんだ。
身体が濡れたままでずっと行動していたし正直今も水着は乾ききっていない。
彼もそうだったら......?
無知な私が知っている方法は一つしかない。
躊躇する気持ちが無いわけじゃないけどいつも助けてくれる。
私がこの人を守らないと......。