【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第25章 KICK OFF !
「お前、仕事はどうなの?」
「し、仕事!べ、別にフツーかな?」
「何で、どもってるんだよ?」
待ってよ。
まず、どうやってこの場面を切り抜けるかだよね。
先程お店を出て行ったつばさちゃんを、悠太くんが追いかけて行った。
今出るのは確実にまずい。悠太くんと鉢合わせる可能性がある。
鋭い人もいるし、彼らがお店を出てからここを出る方が安全。
「ずっと挙動不審じゃない?」
「そ、そう?まだ時間大丈夫だよね?」
「ああ、大丈夫。他にどこか行くか?」
「いや、ここでもうちょっと待機で。」
「待機って......。」
既に頼んだものは平らげてしまったが、もう少し粘らなければ!
あっ、悠太くん帰って来た。再びメニューで顔を隠しその場をやり過ごす。
「あはは、本当に何してんの?」
「もう、本当に笑わないで!存在を消してるの!!」
「大方、仕事で担当してるアイドルグループが彼ら?」
「うっ!」
「で、俺と居るのを詮索されるのが嫌だ。」
「ぐっ......やたら、からかわれるんだもん!」
「図星。お前、顔に出すぎ。」
「だーかーら、皆が出て行った後で一緒に出てね!」
「はいはい、了解。」
面倒くさがりながら、ちゃんと聞いてくれる。
本当に救われる......。
私たちは彼らがお店から出て行ったのを確認して会計を済ませた。
「はぁー。疲れた。」
「はいはい、お疲れ。お前の事情に付き合わされて時間無いんだけど。」
彼が時計を見ながらそう言う。
「本当にごめん!埋め合わせは必ず。」
安堵の息を吐き、大通りまで出ると目の前にきらびやかな人達が。
「今日は厄日なわけ?」
「もう、ここまで来たらやり過ごすしかない!」