【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第4章 煌めけVivid Color
「大丈夫?」
すぐ後ろから、声がした。
「増長さん?ありがとうございます。」
彼が支えてくれたようで、転ばずに済んだみたいだ。
「すみません。むしろ、怪我してませんか?」
「俺は大丈夫だよ。みょうじさんに怪我がなくて良かったよ」
本当に良い人達だよね。
ちゃんと見て、知ってほしい。
彼らを嫌いになる人なんて居ないよ。
目的地に着けば、周囲一帯は草が伸び放題。
とても撮影できる状況ではなさそうだ。
「ロケハンの時はこんな草生えてなかったんですが......」
スタッフの人達も予想外の展開だったらしい。
こういう場合は、どうするんだろう。
「ったく、ついてねぇな。そういやぁMooNsって、こないだのFMJ歌謡祭の出演も急に駄目になったんだよな」
「うわ、マジか......運ねぇな」
聞こえてきた声は、あの辛辣な悪口を吐いたものと同じだった。
「あんな大声、皆にも聞こえちゃう」
つばさちゃんが小声でそう言う。
隣の彼女は悲しそうな顔をしていた。
空気は最悪だ。
極め付けの一言は、
「今日の撮影、ハズレ引いたかな」
だった。