第24章 Dangerous Act !

その一方で、竜持くんのCMが完成した。今はその発表会につばさちゃんと一緒に参加している。


CMの内容は......タキシードを着た彼が、パーティ会場までの車の中で女性にメイクをする。会場にリムジンが到着して、そのままエスコートするという内容のものだ。

いつもの可愛らしい彼とは違うイメージとなっている。


彼も「自分のイメージじゃない。」と言っていたそうだけど、Elly-Porte.側がそのイメージでいってほしいそうだ。


どうしてるかな......？無性に会いたい。
翌日、撮影の合間の時間に彼の元に行くことにした。


いたいた。

その姿を見つけると彼の手にはチョッパチャロス。
椅子に座って、スマホをつついているようだ。


私は驚かそうとゆっくり近づくと、背後から竜持くんの目元を隠した。

「だーれだ？」

と、スマホ画面が見えた。


ガシッーー、


「もぅ、なまえ！」

「わっ！？」

手を掴まれて引き寄せられると、いつの間にか、抱きつく体制になっていた。


「会いにきてくれたの？」

「はい！」

「タキシード姿も素敵でしたよ。私は可愛い竜持くんも大好きですけどね」

そう言うと、正面から抱きしめられた。


「はぁ......ほんとになまえはいい香りがするよね。僕、好きだな」


竜持くん、何だかすごく疲れてる。


「よく頑張ってますね。ますます忙しくなって......嬉しいけど、心配です」


私は、その背中をそっと撫でた。