第23章 沢山の愛をキミに

「はぁ、はぁ......こんなに本気で走ったのいつぶりですかね？」

私は盛大に息切れしていた。


「ははっ、大丈夫？」

「アイドル......はぁ、恐るべし......。」


彼は全く息切れしてない。
二人でたどり着いたのは川沿いの並木道。


視界に淡いピンク色が降ってくる。

あ、花びら......。


「桜......。」

「えっ？」

「綺麗......。」

「落ちて来た。」

愛染さんが私の髪にふわりと触れた。

えっ......？


「花......？」

「桜の妖精みたいだよ。可愛い。」


ええええっ！

さすが、Bプロ女慣れランキング１位の愛染さんだ。


「気持ち良いですねー。」

芝生に横になると日ごろの疲れが取れるみたい。

風がそよそよ吹いて、気持ち良い......。


「なまえは本当に無防備だよね」

私の上に影がさして......組み敷かれてるよね。


「あ、愛染さん......？」

「俺にも触らせて？」

そういえば、誰から追われてるか予想はつくって......。
キスされたのもバレた？読心術！？


Ｂプロに恋愛を持ち込むなという、お仕置き的な？


そんな事を考えていたら、


チュッ、

唇に柔らかいものが触れた。