第21章 新たなMelody

「良い人達で良かった」

「皆さん、仲良しそうだね」

つばさちゃんと話しながら事務所に帰ると、紺野さんの指示で夜叉丸さんのデスクを整理をすることになった。


荷物、全部置いて行ってるもんね。
彼と一緒に仕事をすることはもうないんだ......。

そう思うと悲しくなった。
つばさちゃんとの間に確執があったとしても、彼が私達に仕事を教えてくれたことには変わりない。

彼は私とつばさちゃんを、彼らと会わせてくれた恩人だ。


「あっ！？いけない！！」


ーーガシャーンッ


大きな音を立てて落ちた写真立て。
バンビ時代の彼らと夜叉丸さんの写真だ。


「いけない！割れてないかな？」

そこに散らばる写真は、二枚あった。


後ろに、別の写真が入ってたんだ。
プライベートを盗み見るみたいで、申し訳ないな。


その一枚をつばさちゃんが拾い上げた。
その写真に写るのは、夜叉丸さんと若い女の人......。



そんな......

『アナタは天才』

『アナタとアタシの気持ちは一つ』


「誰だろう......」

つばさちゃんの声が遠くで聞こえて、

私は、少しも動けなかったーー。