【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第20章 Sweet&Sweet
いよいよ本番が始まった。
皆さんのバレンタインエピソードが聞かれる。
「僕は甘い物が大好きなので、トモのお抱えパティシエにチョコを作ってもらったことがあるんです。トモが手配してくれたんですけど、ケーキ、マカロン、ムースとか食べきれないくらい作ってくれて、さすがの僕も胸やけしちゃいました」
竜持くんを餌付けしたい気持ちは......とてもわかる。
「僕はお母さんとお姉ちゃんたちから手作りチョコをもらってました!みんなで大きなチョコレートケーキを作ってくれたことがあって、嬉しかったなぁ」
悠太くん、お姉ちゃん居るんだ。
確かに、雰囲気がすごく優しいから納得だな。
「羨ましいな〜、皆さんモテるでしょうし学校でもチョコをもらったんじゃないですか?」
「学校のロッカーや机の中に気付かないうちに入っていたことがありました。手渡してくれればお礼も言えたんですが......」
百くん......確かに、クラスに居ても話しかけるだけで緊張しちゃいそう。
「恥ずかしがる女性もいますからね。増長くんも女性からチョコを貰った経験はありますか?」
遂に彼の番がやってきた。
「そうですね......俺の話は失敗談になっちゃうんですけど、告白してくれた人が居たんです。でも、俺はその告白に気づけなくて......きっと勇気を振り絞って気持ちを伝えてくれたんだと思います。なのに、きちんと返事をしてあげられなかった......本当にひどいことをしてしまったと後悔しているんです」
「ええ〜っ、意外と増長くんって鈍感なんですね?」
彼は自分のことには無頓着な面があると思う。
周りの皆も同意なようだ。
そこが長所でもあると認めているみたい。
「いつか、きちんと謝ることができるといいんですが......」
私が提案したのはステージで彼女に思いを伝えることだった。
彼の気持ちは彼女にしっかり伝わったと思う。
「いやぁ、モテる人ならではのエピソードって感じですよねぇ。なんだか嫉妬してきちゃいましたよ〜」