【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第20章 Sweet&Sweet
『エデン・デュ・ショコラ』
それは、国内外のチョコレートが集まる一大イベント。
今回、彼らがこのイベントのトークステージに出た後で『エデン・デュ・ショコラ』のテーマソングを披露することとなった。
とても光栄な話だ。
今回は、竜持くん、悠太くん、増長さん、百くんが参加する。
確かに、チョコレートが似合いそうな甘い雰囲気の人ばかり。
竜持くんと悠太くんは甘いものがとても好きだし、本当にピッタリだよね。
番組プロデューサーへ挨拶に行って控え室に戻る途中、よく知っている人の姿を見つけた。
その背中にそっと近づいて驚かせようとすると、突然振り向いた彼に正面から抱きとめられる。気づかれてたようで、そんな彼は形の綺麗な口元に人差し指を当てている。
「百くん?」
「しー」
静かにしろってことだよね?
前に移動させられてそのまま視線を巡らすと、そこに居るのは増長さんだ。そして、向かいに居るのは先ほど共演した女性タレントさん。
「あの、これを渡したくて......」
「チョコレートですか?」
「はい......あの......私、増長さんが好きなんです!」
これって、
「こ、告白!?」
「なまえ」
咄嗟に口を押さえられて、後ろから抱きしめられてる様な状態になっている。そして、私達とは予想外の返答が聞こえてきた。
「ありがとうございます。大切にいただきますね」
ええっ......増長さん?
すんなり受け取って彼女に会釈をしている。
「え、あの」
「それじゃあ、失礼します」
あっ、こっちに来た。
「百くん、どうすれば......」
慌てて後ろを振り返ると足下が滑った。咄嗟に百くんの腕を掴んでしまう。
「ごめんなさい!」
壁に背をつけて転ばずにすんだが、彼を引っ張って壁ドンされている状態だ。でもこれで私の姿は見えないし、百くんも後ろ姿だ。
近い距離で見上げれば視線が絡む。今日もとても綺麗で、まさにどちらが女の子状態だ。
綺麗な瞳に吸い込まれそう......。
気づけばその頬に手を添えていたらしい。私の手に大きな手が重なる。私は手が小さいから余計にだけど、やっぱり綺麗でも男の人なんだな。
彼のお顔は......なんだか赤いような気がする。