【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第19章 みんなで奏でる始まりの音(2期)
「つばさちゃんの笑顔って、マイナスイオンが出てる気がする。えいっ!」
私は彼女を抱きしめて頬ずりする。
「なまえちゃん!?」
「つばさちゃん、大好きだよ!何でも相談してね。私が男の人ならお嫁さんにするのに......」
「え!?」
「俺も混ざりたい!!でも、なんか忘れてるような......」
暉くんの声がして、
「本番始まります!!」
スタッフさんの声が聞こえた。
「あ、撮影!?」
「22時までに」
「緑ヶ丘スタジオ」
「あと、2時間じゃん!」
つばさちゃんと私は焦っている。
その様子が伝わったのかな?
「大丈夫だよ。みょうじさん、澄空さん」
「通しで2、3回やれば終わる」
「ミスが無ければね」
増長さんと龍さんが声をかけてくれる。
「んじゃ、余裕だな」
「問題無いでしょ」
「うん、うん!」
THRIVEの3人も。
「なんてったって俺たちは......『B-PROJECT』だからね」
そう言って彼らはスタジオに入って行く。
出会った時からずっとそうだ。
彼らの輝きはずっと眩しくて、それは彼らが日々進化しているからなのだろう。
慣れる日なんて、永遠に来ない......。
この先もずっとドキドキ、ワクワクさせられる。
目が離せないよ......。
その気持ちはつばさちゃんも同じだろう。
出会いの日を思い出しているのも、きっと同じ。
あの日と違うのは夜叉丸さんがここに居ない事だけ......。
正直、今のスケジュール量を新人の私達だけでこなすのは過酷だった。
「夜叉丸さんが彼らのA&Rだったなら......」
あの日から何度考えたことだろう。
「今の私達じゃ、夜叉丸さんの代わりにはなれないと......」
同じ不安を抱えていたようで、つばさちゃんが移動中のバスの中でそう漏らした。
「私も、あの日から何回も『これが夜叉丸さんなら、こんな仕事簡単にこなすだろうな』って」