第17章 初めての感情 色づく世界

それはハイエッジに行くか、ガンダーラに残るかを話し合った夜のことだった。


「なまえ、泣き疲れて眠っちゃった」

彼女に付き添っていた竜持が教えてくれた。


みょうじさんが一番つらいだろうな
俺たちを無理矢理引き止める事は絶対にしない。


でも引き止めれなかったとしても自分を責めるだろう。


彼女が一緒に来ることはない。
澄空さんを一人にはしないだろうから......。


夜叉丸さんが帰った後、俺たち全員で話し合いをすることになっていた。


「俺たちはどうすれば......カズはどう思う？」

問いかける倫毘沙の答えはもう決まっている。
直感でそう思った。

俺に話をふるのは、過半数を占めるグループのリーダー的立場だからだろう。
俺の答えは最初から決まっていた。