第15章 紡ぐ 色とりどりの物語(1期最終話)

「ああ......新曲が取られちゃって、大変だったのね」

「俺たち全員で書き上げた歌詞です」

「いくら作詞家に頼む時間が無いからって、あなた達にいきなり詞を書かせるなんて酷な事させるわよね〜。でも、今後はそんな事ないから。ちゃんと優秀なスタッフで貴方達をサポートするわ」


彼はその歌詞を見もせず、スーツの内ポケットにしまった。


「それが本心なんですか？」

私は思わず前に出て、その腕を掴んだ。


「あーら、なまえちゃんも不本意でこの子達に歌詞を書かせたんじゃないの？」

「どんなに優秀な作詞家さんに頼んでも、こんなに今の彼らを表した素敵な歌詞......彼らにしか書けません。お言葉ですけど、今まで彼らの何を見てきたんですか？」