第15章 紡ぐ 色とりどりの物語(1期最終話)

部屋の扉が開く。

「あらあらあら、どうしたの？皆深刻な顔をしちゃって〜」

そこに居たのはこの状況を作り出した主、夜叉丸さんだ。


「夜叉丸さん。いい加減ここから出してくれ。」

「ライブはどうなってるんですか？澄空さんのこともどうなったんですか？」

増長さんが核心に触れようとする。


「夜叉丸さん......？」

反応を待つと、彼が口を開いた。


「ジャパンドームライブは中止」

予想通りだった。

私の言葉が確信に変わり皆が、はっとした表情になる。


「それと、つばさちゃんは逃げたわ」

「「え！？」」

「つばさが......」


「世間知らずの素人が右も左も分からずにこの業界に放り込まれて、こんな大事件ですもの。自分が抱えている事の大きさにビビっちゃったのね！」


そんなの、嘘だ......。

私はつばさちゃんを信じている。


ここで否定するのは、正解か不正解か。
信じたふりをして好機を見計らって、逃げ出すのがいいのか。


そんな中、

「どうですか？この歌詞」

北門さんが新曲の歌詞を夜叉丸さんに差し出した。