第15章 紡ぐ 色とりどりの物語(1期最終話)

「相変わらずですね......」

見つめた先の彼はなにやら焦っている。


「ち、違うんだよ、なまえ！」

「いや、別に私には関係ないので大丈夫です......不本意なスキャンダルにだけには気をつけてください」

「そんな冷たい目で見ないでよ」


「はぁ......どうやって、どうやって、マミリンと会えば良いのでしょおおお！」

「お気の毒です......」

『帝人さんの元に携帯が早く返ってきますように』

どうしても、願わずにはいられなかった。


「はい、なまえちゃんも」

目の前の黒い袋に携帯を入れるように言われる。
本当に渡していいんだろうか。


「仕事道具なので......渡せません」

「ほーら、つべこべ言ってないで渡しなさい」

夜叉丸さんが携帯を掴んでくるけど今奪われるのは困る。


必死に食い下がるけど力強い。
それを止めたのは増長さんだった。


「渡した方がいい」

それは私の為を思っての発言だろう。
ここで何を言っても、主導権は夜叉丸さんにある。


「はい......」