【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第14章 胸騒ぎのChristmas Color
「俺も抱きしめて......だめ?」
そう言った表情は何となく悲しそうで、小さな子供みたいだった。
思った瞬間がある。
「愛情に飢えてるのかな?」って。
愛を知らないから好きって感情が分からなくて、良い子にしてればお母さんが見つけてくれる。
最初はそんな感じで、感情を出すのを我慢した。
それで無理だと分かったから、行動を起こしたんじゃないかな。
そして、たくさん努力してアイドルになった。
一番輝いてないと、見つけてもらえない。
そのうち、周りの皆がライバルになって、感情を殺すのがもっと上手になった......。
なんか、苦しい......。
泣きそうになった表情を隠すみたいに、彼を引き寄せて力いっぱい抱きしめた。
「今までよく頑張りましたね。帝人さんは百くん、暉くんは野目さん、お互いに頼り合ってます。でも、増長さんは辛い時に誰を頼るんですか?私、増長さんが頼れるような人間になりたいです。頑張りますね!」
その答えの代わりに、ギュッと強く抱きしめ返してくれる彼。
どうしてかな......。
表情は見えないのに、なんだか泣いている気がした。
しばらくそうしていると、肩を掴まれ身体が離れる。
「もう、大丈夫ですか?」
目が合えば、いつも通りの王子スマイル。